ブログを始めたいんですが、ゴテゴテした派手なテーマが苦手で……。シンプルなWordPressテーマってどれがおすすめですか?
私は設定項目が多すぎるテーマに疲れました。もっとシンプルで、迷わず使えるものがいいです。
お二人とも「シンプル」と言っていますが、実は求めているものが違います。ここが厄介なところで、シンプルの意味を取り違えると失敗します。まずそこを整理させてください。
こんにちは、webディレクター兼個人ブロガー(兼プログラミング講師)のきつねコードです。
当サイトではWordPressやブログ運営のノウハウを発信しています。今回はシンプルなWordPressテーマの話をします。
ただ、いきなりテーマを7つ並べる前に、どうしても先に言っておきたいことがあります。
「シンプル」という言葉、実は4つの意味に分かれているんです。そしてここを取り違えたまま選ぶと、シンプルなテーマを買ったはずなのに、一番ややこしい作業に追われることになります。実際わりとよく見る失敗です。
その「シンプル」、4つのうちどれですか?
「シンプルなWordPressテーマが欲しい」と言うとき、人によって指しているものがまったく違います。ざっと分けると次の4つ。
- 見た目がシンプル:装飾がうるさいのが嫌。余白のある洗練された見た目にしたい
- 操作がシンプル:設定項目が多すぎて疲れる。迷わず記事を書きたい
- 軽い・速い:余計なコードを読み込ませたくない。表示速度が命
- 素材としてシンプル:装飾ゼロの土台が欲しい。あとは自分で組む
①〜③はだいたいセットで叶います。むしろ問題は④です。
いちばん多い失敗:①②のつもりで④を選んでしまう
「シンプル=機能が少ない=初心者向けでラクそう」。こう考えて④のテーマを選んでしまう人が、けっこういます。でも実際は逆で、④のテーマほど、自分で作り込む力が要ります。いわば上級者向け。
④は「制作者が自分でデザインを組み上げる前提の、まっさらな土台」です。目次も、関連記事も、装飾ボタンも、吹き出しも、最初から入っていません。CSSやPHPを書ける人には最高に自由ですが、そうでない人にとっては「何も入っていないから、何もできない」状態になります。結果、プラグインを足しまくって、逆にサイトが重く複雑になっていく。よくある展開です。
ほとんどの人が求めている「シンプル」は、たぶん①②です。つまり「見た目はすっきり。でも中身の機能はちゃんと揃っている」テーマ。この記事では、そこを最優先で紹介していきます。
「シンプル」と「機能が少ない」は別物です。ここを分けて考えるだけで、テーマ選びの失敗はかなり減りますよ。
先に結論:この記事で紹介する7つの仕分け
長くなるので、先に全体像を置いておきます。自分がどれに当てはまりそうか、目星をつけてから読み進めてください。
| テーマ | 価格 | どのシンプル | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| SWELL | 17,600円 | ①②③ | 総合本命。迷ったらこれ |
| Xwrite | 19,800円 (月額990円も) | ①②③ | ブログもHPも作りたい人 エックスサーバー利用者 |
| TCD GLUE | 無料 | ①② | 無料でデザイン品質が欲しい人 |
| JIN:R | 19,800円 | ② | 初心者ブロガー |
| Cocoon | 無料 | ①② | とにかく無料で高機能 |
| Lightning | 無料 | ① | 企業・店舗サイト |
| Arkhe | 無料 | ④ | 制作者・CSSが書ける人 |
※価格はすべて税込です。順番に見ていきます。
【本命3つ】見た目はすっきり、中身は充実
①②③をまとめて満たしてくれる、本命の3つです。多くの方はこの中から選べば失敗しません。
【総合本命】SWELL

「シンプルなテーマを1つだけ挙げて」と言われたら、私は「SWELL(スウェル)」を挙げます。国内でもっとも人気のあるWordPressテーマで、公式のキャッチコピーからして「シンプル美と機能性の両立」。まさにこの記事のど真ん中にいるテーマです。
デザインは装飾を抑えた素直な見た目で、余白の取り方が上品。それでいて、目次・関連記事・吹き出し・ボタン・広告管理といった「ブログに必要なもの」は最初から全部入りです。プラグインをあれこれ足さなくていいので、結果的にサイトも軽く保てます。
そして何より、ブロックエディターの操作性が国内トップクラス。記事を書いているときのストレスがとにかく少ないです。「操作がシンプル(②)」を求めている人には、ここがいちばん効きます。買い切り17,600円で、自分が運営する複数サイトに使い回せるのも良心的。
弱点を挙げるなら、人気がありすぎてデザインが被りやすいこと。ただシンプルなテーマは元々の個性が薄いぶん、色とフォントを変えるだけで印象が変わるので、そこまで気にしなくていいかなと思っています。
【ブログもホームページも】Xwrite

もう1つの本命が「Xwrite(エックスライト)」です。国内シェアNo.1のレンタルサーバー、エックスサーバーが開発しているテーマですね。
Xwriteの良さは、シンプルで書きやすいブログにも、ちゃんとしたホームページにも、どちらにも寄せられるところ。ブログ特化のテーマだと企業サイトを作りづらいし、逆もまた然りなんですが、Xwriteはその中間をうまく取っています。「まずブログから始めて、そのうち事業のサイトも作るかも」という人には、これが効いてきます。
ブロックパターン(デザインの型)をコピペで適用できるので、デザインに悩む時間も減らせます。ライセンスは100% GPLで、制作代行の案件にも特別ライセンスなしで使えるのはクリエイターにとって地味に大きい。ちなみに2025年2月から、あの無料テーマ「Cocoon」の開発者であるわいひら氏も開発に参加しています。書き手目線の使いやすさに期待できる布陣ですね。
価格は買い切り19,800円。SWELLよりやや高いですが、月額990円のサブスクプランがあるので「1ヶ月だけ試す」ができます。無料お試し期間がないテーマなので、この使い方は賢いと思います。
【無料の本命】TCD GLUE
「無料でシンプル」と聞くと、多くの人はCocoonを思い浮かべると思います。ただ、私が推したい無料テーマはもう1つあって、それが「GLUE(グルー)」です。あまり知られていませんが、これはかなりの掘り出し物です。
GLUEは、デザイン性で有名な有料テーマブランドTCDが提供している唯一の無料テーマです。TCDといえば1本3〜5万円クラスのテーマを80種類以上出しているブランドなので、そのデザイン水準のものが無料で使えるというのは、正直かなりおかしい話なんですよね(もちろん有料テーマへの入り口という位置づけなんでしょうけど)。
洗練された見た目で、ヘッダーのタイプ選択、記事スライダー、サイトカラー、フォント、サイドバーの入れ替えといった設定が、TCD独自の「テーマオプション」からワンタッチで完結します。CSSを書く必要がない。トップページを直感的に組める「コンテンツビルダー」も付いているので、ブログだけでなく個人事業主や中小企業のサービスサイトも作れます。
ブロックエディターにもクラシックエディターにも対応しているので、「昔ながらの書き方が好き」という方でも移行しやすい。「Cocoonだとちょっとポップすぎる、もっとクールで洗練された無料テーマがいい」という人には、GLUEがハマると思います。
注意点としては、TCDテーマ共通の性質で「テーマオプションにない部分はカスタマイズしづらい」こと。用意された枠の中で完成させるタイプです。ただ、それってまさに「迷わない=操作がシンプル」ということでもあるので、②を求めている人にはむしろ長所ですね。
本命3つの選び分けは単純です。総合力ならSWELL、ブログもHPも作るならXwrite、お金をかけずに見た目で勝負するならGLUE。
【目的別】もう少し条件を絞って選ぶなら
本命3つでピンとこなかった方向けに、条件が特化している3つも挙げておきます。
【操作がとにかくシンプル】JIN:R
②の「操作がシンプル」を最優先するなら、「JIN:R(ジンアール)」が候補になります。とくにブログ初心者の方におすすめしたいテーマです。
最大の特徴がデザインプリセット。プロが作った完成済みのデザインを、クリックひとつで着せ替えできます。何度でも無料でやり直せるので、「デザインをどうするか」で悩む時間がほぼゼロになる。初心者が最初につまずくのって、たいてい記事の中身じゃなくてデザインなんですよね。そこを丸ごと飛ばせるのは大きいです。
ブロックエディターに完全対応して一から作り直されたテーマなので、ショートコードを使う場面もほぼなく、操作に一貫性があります。ミニマル系のデザインも用意されているので、シンプル志向でも選べます。価格は19,800円の買い切り。
ただし、JIN:Rはあくまでブログ・メディア向けです。企業のコーポレートサイトをがっつり作りたいなら、前述のXwriteや後述のLightningの方が向いています。用途が合っていれば、初心者にとっては相当ラクなテーマですよ。
【無料で高機能】Cocoon
無料テーマの代表格「Cocoon(コクーン)」です。見た目もすっきりしていますし、機能面が本当に充実しているので、①②の両方をそれなりに満たしてくれます。
吹き出し、囲み枠、ランキング作成といった装飾機能はもちろん、内部SEO対策、高速化機能、広告管理まで標準装備。無料なのにここまで揃っているテーマは他にないです。「スキン」を切り替えれば、サイト全体の雰囲気をワンタッチで変えることもできます。ユーザーが非常に多いので、困ったときにネットで解決策が見つかるのも安心材料ですね。
正直に書くと、デザインは「整ってはいるが、それ以上の華やかさはない」という感じ。そこを求めるとカスタマイズが必要になります。ただ「余計な装飾がない=シンプル」と捉える人にとっては、これで十分。とにかくコストをかけずに始めたいなら、Cocoonで何の問題もありません。
【企業・店舗サイトのシンプル】Lightning
ブログではなく会社やお店のホームページで、シンプルな見た目にしたい。そういう方には「Lightning(ライトニング)」です。
ビジネスサイト向けの無料テーマとして国内で最も普及しているテーマの一つで、WordPress公式ディレクトリにも登録されています。余計な装飾のない、清潔感のある王道ビジネスデザインが作れるのが持ち味。ヘッダーに電話番号を出す、わかりやすいナビゲーションを置く、といったビジネスサイトの定番パーツを、コードなしで組み立てられます。
ただし、Lightningは「デザインが完成した状態で届く」テーマではありません。白いキャンバスに自分でパーツを配置していく前提です。時間をかけられる人・カスタマイズを楽しめる人には良い選択ですが、「短時間でお店らしい世界観を出したい」なら有料テーマの方が確実に早いです。
【上級者向け】素材としてのシンプル:Arkhe
最後に、冒頭で触れた④「素材としてシンプル」の代表を紹介します。「Arkhe(アルケー)」という無料テーマです。作っているのは、あのSWELLの開発元。
コンセプトは「WEB制作のベースに最適なテーマ」。装飾らしい装飾は一切入っておらず、本当にまっさらな土台だけが用意されています。アクションフックやフィルターフックが整備されていて、CSSやPHPを書ける人にとっては、驚くほど自由に組み立てられる。Web制作会社が案件のベースとして使うタイプのテーマですね。
「古いテーマなのでは?」と思われるかもしれませんが、そんなことはなくて、2026年5月にもアップデートが入っている現役です。ただし公式ディレクトリでの有効インストール数は4,000サイト程度と、かなりニッチな立ち位置ではあります。
いっそWordPress標準のテーマじゃダメなの?
ここまで読んで、「そもそもWordPressに最初から入っている『Twenty 〇〇』系の公式テーマが、いちばんシンプルなのでは?」と思った方もいるはずです。もっともな疑問なので、正直にお答えします。
結論から言うと、④を求める人には最適、①②を求める人には不向きです。
公式テーマは、WordPress本体の最新機能をそのまま体験できる、いわば純正の土台です。フルサイト編集(サイト全体をブロックで組み立てる仕組み)にも対応していて、無料で軽い。素材としては文句なしにシンプルです。
ただ、ブログ運営に必要なものがほぼ何も入っていません。目次、関連記事、吹き出し、装飾ボタン、広告管理、CTA。全部ありません。これらをプラグインで足していくと、5個10個と増えて、結果的にサイトが重くなって管理も複雑になる。「シンプルにしたかったのに、いちばんややこしいことになった」という、冒頭で書いた失敗そのものです。
なので、こう考えてください。公式テーマは「自分で組み立てたい人の道具」。記事を書くことに集中したいなら、必要なものが最初から入っているテーマを選んだ方が、結果的にずっとシンプルに運営できます。
「テーマがシンプル」なのと「運営がシンプル」なのは、別の話なんですよね。ここ、意外と見落とされがちです。
シンプルなテーマ選びでよくある失敗
これまで見てきた中で、わりと繰り返し起きているパターンを3つだけ。
- 結局CSSいじりで消耗する:素材系テーマを選んだ結果、見た目を整えるだけで週末が溶ける。記事が1本も増えない
- 「シンプル」と「手抜き」が混ざる:装飾がないだけのサイトは、読者に「作りかけ?」という印象を与えます。シンプルさは、整った余白とフォントがあって初めて成立します
- プラグインを足しすぎて重くなる:機能が足りない分をプラグインで埋めると、速度も安全性も落ちます。最初から入っている方が結局速い
どれも「シンプルなテーマを選んだのに、やることが増えた」という同じ構図です。テーマを選ぶときは「見た目がシンプルか」だけでなく「自分の作業がシンプルになるか」で見てみてください。
WordPressサイトを立ち上げる手順
テーマが決まったら、サイトを立ち上げます。まだサーバーを持っていない方は、エックスサーバーが国内シェアNo.1で私も長年使っています。申し込み時に「WordPressクイックスタート」を使えば、ドメイン取得からWordPress設置まで1時間以内に終わります。
そして先ほど書いたとおり、プランによってはXwriteが無料特典で付いてきます。テーマ代を浮かせたい方は、契約前に一度プランを見比べてみてください。割引は初回契約時にしか効かないので、長く使う予定なら長期契約が結局いちばん安く済みます。
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よくある質問
シンプルなテーマだと、アフィリエイトで稼ぎにくくなりませんか?
むしろ逆で、シンプルな方が有利なことが多いです。 装飾が多いサイトは、読者の視線が散ってしまって、肝心のボタンが埋もれます。余計な要素がないサイトの方が「ここを押してほしい」が伝わりやすい。今回紹介したテーマは、見た目がシンプルでもCTAボタンやランキング、広告管理といった収益化の機能はきちんと持っています。「シンプル=機能がない」ではないので、そこは心配しなくて大丈夫です。
SANGOやSTORKもシンプル系ですか?
「シンプル」の定義によります。 たとえばSANGOはマテリアルデザインを採用した、ふんわり柔らかい雰囲気のテーマです。使い心地は良いのですが、「余白を活かしたミニマル」を想像している人からすると、丸みや影が少し賑やかに感じるかもしれません。STORK系もポップ寄りです。操作がシンプル(②)という意味では優秀ですが、見た目がミニマル(①)を求めているなら、この記事で挙げたテーマの方が近いと思います。デモサイトを見て、自分の「シンプル」と合うか確かめてみてください。
WordPress 7.0が出ましたが、テーマ選びの基準は変わりましたか?
基本は変わりません。 2026年5月にWordPress 7.0「Armstrong」がリリースされ、管理画面やエディタまわりの使い勝手が改善されました。ただ、テーマ選びの観点で言えば「ブロックエディターにきちんと対応していて、開発が今も続いているテーマを選ぶ」という原則は昔から変わっていません。今回紹介したテーマはどれもアップデートが継続されているので、その点は安心してもらって大丈夫です。逆に、何年も更新が止まっている無料テーマは、本体のバージョンアップで表示が崩れるリスクがあるので避けてください。
まず無料テーマで始めて、あとから有料に変えられますか?
変えられますが、記事が増えるほど大変になります。 文章そのものは残りますが、テーマ独自の装飾(吹き出し・囲み枠・ボタンなど)は移行先で崩れるので、記事を1本ずつ直す作業が発生します。10記事なら軽い作業でも、100記事あるとかなりの負担です。なので「無料で試すのは20〜30記事くらいまで」を目安にして、続けられそうだと確信した時点で有料テーマに移るのがおすすめです。最初から本気なら、初めから有料を選んだ方が結局ラクですね。
まとめ:自分の「シンプル」を決めてから選ぶ
シンプルなWordPressテーマを、4つの意味に分けて整理しました。もう一度だけ、選び方をまとめておきます。
最後にもう一度だけ。シンプルなテーマを選ぶ目的は、見た目を整えることじゃなくて「記事を書く時間を増やすこと」だと思っています。デザインで迷わない、設定で迷わない、だから中身に集中できる。そういう意味でのシンプルさを基準に選んでみてください。
テーマ選びの話は他にもあるので、あわせてどうぞ。